「ゆりかご」は、病気や障がいと関わる家族同士が出会うための、インターネット上の仕組みです。
特に、妊娠中に出生前診断を受けたご家族が、「すぐに」「安心して」「必要な情報を得て」病気や障がいと向き合える環境づくりを目的としています。
文:親子の未来を支える会代表 林伸彦
※商業目的での登録・利用は禁止いたします。
日本には、妊娠初期に全ての胎児を検診・健診する仕組みはありません。
(2014年産婦人科ガイドライン CQ 106-1, CQ 106-2)
希望があれば、NIPTや超音波スクリーニングなどの出生前検査を受けることができます。特別な出生前検査を希望をしなくても、通常の妊婦健診の中で病気を疑われ、診断されることもあります。そのような中で、以下の環境が整っていないと考えています。
妊娠中に診断されうる病気は、数多くあります。
ダウン症候群、22q11.2欠失症候群、13トリソミー、18トリソミーのような染色体疾患のみならず、口唇口蓋裂、心疾患、腎疾患、消化管疾患、二分脊椎、無脳症、多指症など、様々あります。
病気そのものについては、病院で説明されることもありますが、「病気や障がいとともに生きる暮らし」についての情報を得ることは困難と考えています。
診断時期によっては、考える時間もないような場合があります。命に向き合う大切な時期に、誰にも否定されずに、安心してすぐに相談できる場所が必要だと考えます。
胎児異常を理由とした人工妊娠中絶は、母体保護法では認められていませんが、現実には、出生前診断を受けた家族は、妊娠継続するか否かの選択をしていると考えられます。しかしそのことへの社会的理解は未だ不十分といえます。結果として、命に向き合う大切な時期に誰にも相談できない方がいるだけでなく、中絶の後に支え合える環境も整っていないと考えます。
選択の前に安心して相談できる場をつくるだけでなく、選択の後に安心して支え合える場も必要と考えています。
どんな病気・障がいがあっても産みたいと考える家族もいます。しかし、障がいを持つ子どもと暮らす将来が具体的に想像できず、産み育てる決断をできずに中絶を選択する家族もいます。
また、胎児の状態や、その他の緩和的理由によって「中絶をすすめられる」ようなこともあります。
産み育てる選択を支持することに加え、短命と予想される命に向き合うための場が必要と考えています。
「大切なことだから、直接会って、顔を見ながら話すべき」という意見を伺います。
それに関して、全く同じ想いです。
顔の見える関係が理想ですが、一方で、限られた時間内に誰にも相談できず、独りで悩む方がいるのも現状です。当システムで目指すのは、
「インターネット上で済ませる簡易的相談所」ではありません。
「誰にも相談できずに不安な気持ちを抱えている家族に、仲間とつながる第一歩を踏み出してもらうための一つの窓口」となるのが目的です。
当システム内でのサポートに捉われず、サポーターのみなさまがこれまでに経験し培ったコミュニティ(家族会や、その他SNS等)へお繋ぎし、本当の意味でのサポートをできることを願っています。
出生前検査の結果に悩んでいる方、産むことを決めたが不安を抱えている方、などが、みなさまの声を求めています。実際に病気の子を持つ親(あるいは本人)、病気や障がいと向き合い中絶を選択した家族、流産や死産を経験された方などと連絡をとれるシステムをつくることで、病気について理解を深め・向き合う機会をつくりたいと考えています。みなさまが実際に悩んだこと、そして今感じる事、その全てが支えるになります。
多種多様な病気・障がいがある中で、相談者の方々が、より自分と似た仲間を見つけるために、サポーターのみなさんにはできるだけ詳細なプロフィールの記載をお願いしています。
また、みなさまが日頃どのようなことに気をつけて生活しているか、どのような社会的サポート・医学的サポートを求めているかを把握し社会に還元することも目的としています。個人を特定できない範囲で、できるだけ詳細なプロフィール記載をお願いいたします。
以上をご理解いただいた上で、ご協力いただける方は、以下のフォームよりご登録お願いいたします。